極彩色の花束に
痛い嘘
優しい嘘をついた
(君は泣いていた)
そう、
そっと触れるように優しく自然に
(そんな柔らかい嘘を)
その唇の痛みを僕は知らないから
(いくら繋がっているとはいっても、どうせ他人同士だから仕方がない事なんだよ)
だから君に嘘をついた
(すべてを消してしまえるような、とてもとても幸せな嘘を)
私は、泣き出した夜に歌う
(潰された紺碧と逃げた星へ)
六月、跳ねる灰色、
髪から滴るクリアー、
(紫陽花、足元の鏡はきっと単色で)
できるなら私に。
(そう、できるならば。)
どうか、今、影を下さい。
(それが唯一の証明)
傘をさして歩こうか
指先繋ぐ曇りの日も
髪を撫でる風の日も
足音濡れる雨の日も
頬が染まる雪の日も
瞼に星降る晴れの日も
傘をさして歩こうよ
ほら、半透明な膜が
僕らと外を遮るから
何も見えなくなるよ
膜から覗いた空は
いつもより少し
掠れていたけれど
僕は指差して
「絵画みたいだね」
君は笑いもしないで
「汚いだけの空」
手を放して
ひとことだけ
紡いだ言葉が
散らばって
せめて１つの傘が
二人を繋ぐなら、と
視線がぶつかる事は
きっともう無いけれど
ほら、そうやって外に夢中で
僕から離れていかないで
君が見えなくなるから
僕が見えなくなるから
見えなくなるよ
見えなくなった
ああ、また雨が降りだした
君には、傘はもう
必要ないのかな
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